第三章

10/11
前へ
/73ページ
次へ
「判りました、判りました。『JUDGEMENT』以外のゲームでも  ムーガは増やせますから。本を破くのだけは止めて下さい!」 「何だよ、他のアプリでも増やせるのかよ。だったら相手がチート  出来ないゲームアプリを教えてくれ。チーターがいたら話にならない」  ガード勝負で対戦相手がチーターだったお陰で負けた。正直チーター が出没しないゲームでないとムーガを稼げない。 「そうですね……では『ヴァルハラ』は如何でしょう? 三人一組で闘う  チームバトル戦で、チートは即永久BANになります」 「良いね、それで行こう」  ビッと親指を立てた岳。ミサキがそっと小声で聞いた。 「なあ、チーターってアフリカとかに棲んでるヤツ? それに永久欠番って  野球でもやるの?」  「はあ?」  スマホゲームをやってる奴なら知ってて当然だろうと思ったが、 朝から晩まで野球に没頭しているミサキにはチートだとか永久BANと 聞いてもチンプンカンプンなのだろう。 「チートって自分のキャラをズルして強くすることで、そう言う  不正をやるヤツをチーターって呼ぶんだよ。そんでもってゲーム  運営会社がチーターを発見してアカウントを消滅……つまり 二度とゲームを出来なくすることを永久BANって呼ぶんだ」 「へえ~、あんた良く知ってるね」  そんなのみんな知ってるよと言おうとしたが止めた。 「『ヴァルハラ』は亜空間に行って闘う対戦ゲームです。アプリを  起動させたら私の魔法円で亜空間に飛ばします」  そう言ってゲーム参加の準備をする悪魔。アプリを起動させて 岳達三人分の新規登録を済ませると、屈んで掌を床に置いた。 魔法円が眩い光を放ちながら出現する。 「さあ、皆さん円の中に入って下さい。亜空間に行ったらゲーム  スタートです。後はチュートリアルに従って下さい」
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加