第四章

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「なるほど、相手がカード専門のチーターだったか。アスモダイは  ソロモン72柱の中でも一・二を争う狡猾なヤツだからな。  恐らくはゲームの送信データを改竄しているんだろう。残念だが  冥界ではオマエ達の世界よりもチートが横行してるからな」 「そもそも悪魔にズルをするなって言うのは、親の頭から子供が  産まれるみたいなものだ。要するに不可能だ。倫理観なんて  無いのが悪魔さ」  アテナの言う通り、狡猾で獰猛な連中が悪魔にはゴロゴロ している。安易に『JUDGEMENT』に手を出したことを 激しく後悔する岳。蛇足だがアテナはギリシア神話で神々の王 ゼウスの頭から産まれている。 「どうやったらチートする悪魔に勝てるって言うんだ?」  悔しくてギュッと唇を噛む岳。 「イカサマはバレない限り無敵だが、バレれば永久追放だ。  イカサマをする連中に勝つには、イカサマを見破るか、連中が  予想しない方法で勝負すれば良い。後はオマエ次第だな」 「相手が予想しない方法……」  エジプト神話の知恵の神トートのアドバイスが岳の心に響く。 「とにかくあと1勝で超難問クイズに挑戦出来るのか。最後が  どのチームに当たっても勝てるように、オマエにこの聖剣を  やろう。一振りでドラゴンすら倒せる神の剣だ」  ロキが腰に差していた剣を岳に渡す。手に持つとズシリと 重く、黒い柄部分に金文字でアルファベットが刻まれている。 「+NDXOXCHWDRGHDXORVI+」 「これは800年前にドイツで作られた剣でな、大英図書館に  保管されているのと同型だ。ちなみに聖剣はコレを含めて  恐らく12本ある。専門家達がこの暗号を解読しようとしたが、  未だに未解読のままってことになっている。余りにも難解で  大英図書館が「助けて下さい」ってサイトで世界中の暗号  マニアに解読を募集したくらいだ」 「もしかして、この暗号も父さんが……?」 「その通り。五十嵐レイが20分弱で解いた。超難問AAAクラス  のクイズになるだろうな。そしてレイが暗号を解いたお陰で  聖剣の封印が解放されたんだ。レイの息子のオマエが持つのが  相応しい」  「一体何て書いてあるんですか?」
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