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「岳どこにいるの?」
ミサキがキョロキョロ部屋を探すが岳の姿は無い。タンゴがパソコンの
電源が付いていることに気付いた。画面を覗いたタンゴが慌ててミサキを
手招きする。パソコンは『JUDGEMENT』に接続されていて、
画面には漢詩みたいなものが表示されている。
「問題: 千利休の辞世の偈(げ)の意味を答えよ。
人生七十 力囲希咄
吾這寶剣 祖佛共殺
堤我得具足一太刀
今此時天抛
ルール: 先に答えた方が勝者とする。誤解答をした場合、左腕・
右腕・左足・右足の順にスフィンクスに喰われる。
ハッキング等の不正行為を行った場合は失格となる。勝者は褒美として
好きな願いが一つ叶えられる。敗者は魂が消滅する」
「もしかして、これが難易度AAAの対戦クイズかな? 全然判らないけど」
「多分そうだろうな。岳はこの問題に挑もうとして何かあったんだと思う」
「岳のお母さん呼んだ方が良いわね」
そう言うとミサキはダダダッと階段を駆け下りて行く。
台所にいた由香里が手を拭きながらミサキと階段を登って来た。
『JUDGEMENT』の画面を見ると
「ちょっと純次さん、純次さ~ん」
ダイタロスを呼び出した。やがてスーッと博学の悪魔が三人の前に
姿を現す。
「これはこれはお嬢様、ご機嫌麗しく」
「純次さん、コレって何? 岳は今どこにいるの?」
「これは『JUDGEMENT』の特別画面ですよ。難易度AAAの
対戦は特に人気で冥界全体に有料配信されていますからね。
岳殿は問題を解く為に私と契約を交わしたのです。私がこの
問題の正解を教える代わりに、岳殿には私の野望の実現に
協力して貰います」
ヤレヤレと大きな溜め息を付く由香里。
「純次さん、性懲りも無く「革命」狙ってるわね」
「ど、どうしてそれを!?」
野望の中身をアッサリ言い当てられてドキリとするダンタリオン。
「どうしてもこうしても無いわよ。ソロモン72柱の序列71番目の
純次さんが序列を逆転させる為に「革命」を起こそうと狙っている
ことくらいみんな知ってるわよ」
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