第五章

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「岳どこにいるの?」  ミサキがキョロキョロ部屋を探すが岳の姿は無い。タンゴがパソコンの 電源が付いていることに気付いた。画面を覗いたタンゴが慌ててミサキを 手招きする。パソコンは『JUDGEMENT』に接続されていて、 画面には漢詩みたいなものが表示されている。 「問題: 千利休の辞世の偈(げ)の意味を答えよ。  人生七十 力囲希咄  吾這寶剣 祖佛共殺  堤我得具足一太刀  今此時天抛  ルール: 先に答えた方が勝者とする。誤解答をした場合、左腕・  右腕・左足・右足の順にスフィンクスに喰われる。  ハッキング等の不正行為を行った場合は失格となる。勝者は褒美として  好きな願いが一つ叶えられる。敗者は魂が消滅する」 「もしかして、これが難易度AAAの対戦クイズかな? 全然判らないけど」 「多分そうだろうな。岳はこの問題に挑もうとして何かあったんだと思う」 「岳のお母さん呼んだ方が良いわね」  そう言うとミサキはダダダッと階段を駆け下りて行く。  台所にいた由香里が手を拭きながらミサキと階段を登って来た。 『JUDGEMENT』の画面を見ると 「ちょっと純次さん、純次さ~ん」  ダイタロスを呼び出した。やがてスーッと博学の悪魔が三人の前に 姿を現す。 「これはこれはお嬢様、ご機嫌麗しく」 「純次さん、コレって何? 岳は今どこにいるの?」 「これは『JUDGEMENT』の特別画面ですよ。難易度AAAの  対戦は特に人気で冥界全体に有料配信されていますからね。  岳殿は問題を解く為に私と契約を交わしたのです。私がこの  問題の正解を教える代わりに、岳殿には私の野望の実現に  協力して貰います」  ヤレヤレと大きな溜め息を付く由香里。 「純次さん、性懲りも無く「革命」狙ってるわね」 「ど、どうしてそれを!?」  野望の中身をアッサリ言い当てられてドキリとするダンタリオン。 「どうしてもこうしても無いわよ。ソロモン72柱の序列71番目の  純次さんが序列を逆転させる為に「革命」を起こそうと狙っている  ことくらいみんな知ってるわよ」
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