序章

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西暦2530年ー 人々は争った。 我が欲求を果たすために。 己の権威を見せつけるために。 そして世界を破滅の道へと追い込んだ。 草木は枯れ、大地は更地と化し、生き物達は絶滅寸前まで追い込まれた。 そんな時、“ノア”と名乗る一人の少女が現れた。 彼女は、自分は神の使いだと名乗った。 そして彼女は言い放った。 “神は人類に罰を与えることをご決断された。もう時期この世界に天罰が下るだろう。”と。 人々は彼女の言葉に耳を貸さなかった。 “神などいるものか。” “そんなハッタリ信じてなるものか。” 人々は口々にそう言った。 だが、唯一彼女を信じた幼い子供たちがいた。 名を“アダム”と“イヴ”。 ノアはこのふたりの子供と、契りを交わした動物動物達を神より与えられた船に乗せた。 そしてノアは神よりふたつの力を授かった。 “この世界の知識”と“自然を生み出す力” そして神は天罰をお与えになった。 世界は一度滅びた。 ノアが船の外に出られるようになる頃には、世界に何も無かった。跡形もなく。 唯一この船だけが大地の上に立っていた。 そしてノアは天罰が下されてから初めて外に1歩踏み出した。 するとノアの足元から植物が生え始めた。 そしてそれはノアが1歩、また一歩歩く度にどんどん広がっていった。 そして神は言った。 “世界を創造しろ。”と。 ノアは船の中の動物達を陸に離し、こう告げた。 “世界を一から作り直そう。 そのためには君たちの力が必要なのです。 誰もが理想とする素晴らしい世界を作ろうはありませんか!” ノアは旅に出た。 この世界にたくさんの自然を届けるために。 動物達は各々の本能に従い行動しノアが連れてきたアダムとイヴは、子をたくさん産み、数世代後には一国の国ができた。 ノアは世界破滅後に出来た初めての国の王となった。 国はだんだんと数を増やし、領土を広め、動物や植物もまた数を増していった。 そしてノアは、この世界から姿を消した。
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