冷やし本屋始めました

そろそろ、冷やし本屋が恋しくなる季節。

暑い陽射しの中、涼しげな看板に誘われて
吸い込まれるように
本屋へ入る。

一見、普通の街の本屋さんだが
書棚の一角に
観音開きの冷蔵庫のような書庫を
あしらえている。
フレンチドアタイプと呼ばれるもので
私はとても気に入っている。

片開きドアより、断然オシャレ度が高い。

今日は、何があるのだろう？
このワクワク感がたまらない。

グリーンのライトが点いた扉を
そっと引いた。
真っ先にストライプの背表紙が
眼に飛び込んだ。

色濃いみどりを基調にした
モダンな黒のボーダー。

冷んやりした棚に手を入れ
本を引っ張り出した。

「今日はコレにしよう」

翌日、駅から降り立つと
本屋へ向かった。
やはり、暑い日には
真っ直ぐ家へ向かうより
涼しい本屋へ寄り道するに限る。

しかし、今日はなんだか、
本屋さんが増えている気がする。

駅の北口のロータリーの端っこに
一軒だけだったのに。

新しく出来た本屋さんは、
ガラス張りだった。
外から、色とりどりの本が見え
ドアの前に立つと
スーッと自動ドアが開いた。