28644

9/13
前へ
/13ページ
次へ
「自分で言うのもなんだけど、私はすこぶるモテたわ。男の人って不思議で、手の届きそうな果物に集まるのよ。無駄にプライドだけは高いのね、彼らって。だから、学校で一番可愛い子じゃなく私がモテた。勿論、その届きそうな私がプライドを粉砕してきたのだけど。振る時は完膚なきにまでって決めてたから、振られた人の中にはもう立ち直れない人も多かったと思う。そんなバチが当たったのか中学の時、病気に罹った。手術しなければ明日にも脳死すると言われたわ。しかも手術費用は膨大で。だけど金持ちの男の人が負担してやると言ってくれた。断ったけれどね」 「どうして?」 「怖いじゃない」  僕が問うと、三木さんは自らを抱き締めた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加