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咲希は両親とも本当に仲良くやってくれている。 両親は最初から咲希を気に入っていた。 まぁ、騙されたりもしたが、あの親父に真っ直ぐと自分の気持ちを伝えたのが、更に気に入る要因となったと、後日親父が言っていた。 正直、俺も驚いた。 うちの親父の貫禄は半端ない。俺ですら時々ビビってしまう。 まさか反対されるとは思わなくて、カッとなって感情のまま『別れない』と言った俺と違って、咲希は冷静だった。 静かに俺を制した咲希に、まさか親父の言う事を受け入れるつもりかと焦ったが、落ち着いた口調で真っ直ぐ親父を見つめ、気持ちを伝える咲希に、喜びや感動、愛しさと共に俺の頭も冷えていった。 結局、俺たち二人を試すための一芝居だった訳だが、俺は咲希の気持ちがハッキリとわかって嬉しかったし、まだまだ俺の知らない咲希がいるんだと、これからの楽しみが増えた気がした。
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