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 「後悔しないか?」  「しないよ。する訳ない。私が頑固なの知ってるでしょ?」  「ふはは、知ってる」  「あ、食費は今までのお給料も残ってるし、貯金も少しだけどあるから当分は大丈夫」  「そんなの気にしなくていいよ」  宏臣さんはそういうと思ったけど...  「足りなくなったらちゃんと言うから」  「じゃあさ、咲希が働いてる間は咲希が出してよ。 辞めたら俺が生活費渡すからそれ使って、また働き出したら咲希にお願いするから」  「だって働かないかもしれないよ?」  「どうせ咲希はじっとしてないから。しばらくは我慢出来ても、すぐに働きたくなると思うよ」  そんなつもりはないのに...。  「在宅でも何でも、やりたいことやればいいんだよ」  「わかった。でも沢山は要らないからね?」  「余ったら貯金しといてよ。それで旅行でも行こう」  「旅行かぁ。じゃあしっかり遣り繰りしないとね」  宏臣さんは仕事であっちこっち行ってるけど、私は全然行ったことがない。  海外はもちろん、国内でさえ...。  「宏臣さん、久しぶりにお月様見ない?」  「寒いだろ」  「寒いけど見たい」  「待ってろ」  宏臣さんは自分の部屋から暖かそうな毛布を持ってきた。
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