817人が本棚に入れています
本棚に追加
/698ページ
「後悔しないか?」
「しないよ。する訳ない。私が頑固なの知ってるでしょ?」
「ふはは、知ってる」
「あ、食費は今までのお給料も残ってるし、貯金も少しだけどあるから当分は大丈夫」
「そんなの気にしなくていいよ」
宏臣さんはそういうと思ったけど...
「足りなくなったらちゃんと言うから」
「じゃあさ、咲希が働いてる間は咲希が出してよ。 辞めたら俺が生活費渡すからそれ使って、また働き出したら咲希にお願いするから」
「だって働かないかもしれないよ?」
「どうせ咲希はじっとしてないから。しばらくは我慢出来ても、すぐに働きたくなると思うよ」
そんなつもりはないのに...。
「在宅でも何でも、やりたいことやればいいんだよ」
「わかった。でも沢山は要らないからね?」
「余ったら貯金しといてよ。それで旅行でも行こう」
「旅行かぁ。じゃあしっかり遣り繰りしないとね」
宏臣さんは仕事であっちこっち行ってるけど、私は全然行ったことがない。
海外はもちろん、国内でさえ...。
「宏臣さん、久しぶりにお月様見ない?」
「寒いだろ」
「寒いけど見たい」
「待ってろ」
宏臣さんは自分の部屋から暖かそうな毛布を持ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!