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銀杏の実がこぼれ落ち、黄色い葉が、まるで絨毯のように道や公園に敷き詰める今の季節、僕はやっと客足が落ち着いてきた、チーズケーキの店に彼女と向かった。
小さい店舗だった。しかし雪を彷彿させるような真っ白な壁と、大きな窓を組み合わせた外観は、洒落ている。
お店の木のプレートに『白雪の木』と書かれていた。女性の心を惹きつけそうな、雰囲気。
ドアノブは、銀色のアンティークでデザインまで、洒落ていた。彼女は「わぁ」と感嘆の声を漏らした。
店内に入ると、甘い焼き菓子の香りとバターやチーズの香りが鼻についた。食欲がそそる香り。
マンションの部屋の窓から白い内装が少し見えていたが、やはり店の中は粉雪の色のように、白で統一されている。
真正面にあるショーケースはキラキラと輝いており、中には真っ白なチーズケーキが整列するように、並べられていた。主にベイクドタイプのチーズケーキを販売しているらしい。
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