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販売されているのは、白いチーズケーキ一種類のみだった。それなのに、なぜかショーケースの中は、白いダイヤのように輝いていた。
店内は決して広くない。全部で八畳位。その中にイートインスペースの小さなテーブルが二つ、置かれている。
そんな時、ショーケースの後ろから人陰が表れた。
「いらっしゃいませ」
透き通った天使のような女性の声。ここの店主だろう。
その女性店主に思わず僕は目を奪われた。肩位までの長さのセミロングの黒髪に、キリッと整った二重の切れ目。小さな卵型のフェイスに、
薄いベージュ色の口紅が塗られた唇。
ナチュラルメイク。僕の通っている大学の女子学生は、割と化粧が濃い子が多い。そこまで化粧を濃くしなくても良いのに。と思う位濃い。
そんな彼女らとは違い、自然な愛らしさが醸し出されている。
糊がパリッとかかった黒生地のワンピースに、白い襟。ウエイトレスのような服を着こなしている。
しかし、愛想がない店主だった。
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