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交番を出ると、隣接の図書館へ向かう。
図書館名は山野市立図書館で、築35年の2階建て木造建築物だ。
入り口の上には大きな時計が設置され、毎日12時と17時にメロディーが流れる。
田んぼと山だらけの中で、夕方にメロディーが流れてくると今日も1日が終わるのかと感じさせてくれる良いものだ。
改装された時に設置された自動ドアを通ると、中は真ん中が吹き抜けで、天井のガラスから陽光が挿しこみとても明るい。
田舎の図書館にしては、立派な内装で、蔵書もかなりあり、専門書等もかなり多い。
利用者もそこそこいる。
そのため、司書やアルバイトと思われる者も10人くらいは常にいるが、半分は人間で半分は亜人だ。
皆一様に白ワイシャツ、下は黒のチノパンそして山野市立図書館とプリントされた前掛けのようなものを着けて忙しそうだ。
郷土史コーナーを見ると本の整理をしている司書は兎の耳だし、今月のピックアップコーナーには眼鏡をかけた犬耳、そして受付にはライオンの顔をした筋骨たくましい司書が座っている。
なぜ、受付がウサ耳でなく、お前なのかという疑問は飲み込み、俺は会釈して奥へ向かった。
当然だが、この図書館は地元の人も結構利用している。
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