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「島崎君は真面目だねぇ。わしも君をヤマヨコ交番に推した甲斐があるってもんだよ。」
空色の夏制服に袖を通し、白髪混じりの短髪に眼鏡を掛けた初老の男性は、目を細めながら、勤務日誌を読んでいた。
「いえ、私もできることなら穏便に勤務して居たかったのですが・・」
島崎と呼ばれた男・・俺は、軽く溜息をつきながら、署長とやり取りをしていた。
「何言ってるのー。県警本部でバリバリ仕事していた君を引き抜く時は、申し訳ない気持ちで一杯だったんだけど、ソツなくこなしてる君を見ると、安心感で一杯だよー。」
「来年には、生活安全部門に戻れるので、それまではしっかり勤めます・・」
「んじゃ今日の勤務よろしくね。まだ2ヶ月だから、慣れてないと思うけど、向こうの方々に粗相はないようにね・・まぁ島崎くんなら大丈夫だね」
「わかりました」
署長から決裁をもらい、脱帽した状態の敬礼をした後、俺は署長室を退室した。
署長室を出てすぐに、
「おーい、島崎ー。ちょっと来てくれー」
次は地域課長からご指名が掛かった。
課長からの依頼は、毎回大した内容ではないが、今回は大層真剣な顔である。
「どうされましたか?」
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