33人が本棚に入れています
本棚に追加
それにしても、オリヴィエと言う名前の彼女は綺麗な日本語を書く。
漢字もすらすら書くので、教養がかなりあるんだろう。
あちらの字なんて全く書けない俺も見習わなくていけない。
「綺麗な字を書かれますね。私の字より綺麗ですよ」
「えっ?!・・そうですか・・あ、ありがとうございます・・」
褒めたのだが、彼女は、また俯いて何も喋らなくなってしまった。
多分、さっきの余計な一言が尾を引いてるのだろう。
「はい。これで手続き終了です。もし、拾われた方が届けてくれたら、掲示板に掲示しますし、御自分で見つけられた場合は、交番や詰所へ来て見つけたとお伝えください」
「は、はい。お願いします!」
話し終わる前に、彼女は、礼を言って席を立ち、交番から駆け足で出て行った。
・・美人に嫌われるのは辛い・・
気に病んでも仕方ない、あれだけの美人を拝めることはなかなかないし、良いものを見れたぐらいにしておこう。
さぁ職務を忠実にこなしますかねーー
警らの準備をしようと立ち上がった時、目の端に白いものが見えた。
白いものは、つばの広い帽子で、先ほどの来訪者が被っていたもの、つまり落としものである。
「まさか、早々に会いに行くイベントが始まるとはね・・」
最初のコメントを投稿しよう!