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 確かめたいが、どうやって話を切り出して良いかも分からない。面と向かって「俺を抱いたのか?」なんて、言えるわけがない。  何をしても、墓穴を掘りそうだったが、何もなかった素振りを装うのも難しい。だから、せめて一日おけばなんとかなるだろうと思ったのだ。 「メールでいいだろ! なんで、わざわざ来るんだよ。明日は、きちんと出社するから、お前は俺なんて気にしないで会社に行け。やることは、たくさんあるはずだ」 「たしかに忙しいですけど、ほづみさんの顔が見たいんです。甲斐甲斐しいでしょ?」 「迷惑だ!」  ドア越しに帰ってくるふてぶてしい返答に、ほづみは頭を掻きむしった。  顔を合わせたくないが、ドアを開けるまで、遼は立ち去らないだろう。  そんな気がする。 「ああ、くそったれ!」  仕方ない。近所迷惑になるのはゴメンだと理由をつけ、ほづみは足音を荒くしてドアへと歩み寄っていく。 「ほづみさん。二人きりの時だけで構わないので、遼って呼んでくださいよ。いいでしょ」  夢を思わせる台詞に、ほづみはドアノブに手を掛けたまま、固まった。 「嫌だね。新見、お前と俺はただの同僚だ。名前を呼び合う、フランクな仲じゃない」 「キスをしたでしょ? 下着だって、貸してあげました」     
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