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その場所から逃げ出したいのに、足がすくんで動かない。
「あー見ちゃったんだ。残念だったね。知らなかったでしょ?あいつら中学ん時から付き合ってんだぜ」
後ろから嫌な奴の声が聞こえた。
他校なのにわざわざ呼んだんだな、とボソッと付け加えるのが憎たらしい。
彼の一番の親友で学年一の人気者。
事有る毎に私に嫌みを言ってくる。
「……放っといて。今は私に話し掛けないで。あっち行ってよ」
「ヤダ」
ほら、こんな風にすぐ意地悪言うし。彼のどこが良いのかさっぱり分からない。
「あっそう。それなら私が行くから良い」
そう言ったのに、なぜ彼は私の後ろを付いてくる?
「……お願いだから、一人にしてよ」
「だから、ヤダって言ってるだろ」
「……何でよ」
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