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はぁ……ラブちゃんが俺に…ラブちゃんと約束して…だから…ラブちゃんとずっと……。
ああ、頭が回らない。
だから俺はラブちゃんが……。
こんな可愛らしいラブちゃんが……。
ラブちゃんが大好きなんだ。
すっかり日が落ちた町を、二人寄り添うように俺の部屋へと歩いて帰る。
トンと手の甲同士がぶつかった。
その何気ない接触に俺は胸がキュッとなって、ラブちゃんの小指に再び小指を絡ませる。
ラブちゃんが小指を絡めた手をキュキュキュキュと、小さく四回振った。
ヤ・ク・ソ・ク……。
意味はすぐにわかった。
俺もキュキュキュキュと、四回振り返す。
ヤ・ク・ソ・ク。
ダ・イ・ス・キ。
ラブちゃんはどちらの意味で受け取るだろう。
どちらでもいい。
出来れば両方感じて欲しい。
そうだ、好きだと言葉にするのを制限されてしまったから、これからこれをラブちゃんへのサインにしよう。
ラブちゃん、好きです。
その気持ちを込めて……。
また四回小指を振った。
けど、ラブちゃんからの返しはない。
あれ?
また四回小指を振ってみた。
今度はラブちゃんからの返事があった。
指振りだけじゃなく、声付きで。
「モ・ウ・ワ・カ・ッ・タ、シ・ツ・コ・イ」
……………。
過ぎたるは及ばざるが如し。
やっぱり俺の場合、愛情表現は少な目の方がいいらしい。
回数少なく、中身は濃く……。
あ、ラブちゃんとのエッチと同じだ。
そうか、だからラブちゃんはなかなか最後まで致してくれないのか。
たまにだったら俺がガツガツするのも悪くないって言ってくれたのもそういう事だね。
わかったよラブちゃん。
これからは自分で抜く回数も減らして、ラブちゃんとの時間をより濃いものにするから!
隣を歩く愛らしい横顔を見つめながら、俺は欲にまみれた禁欲を誓った。
大好きな人の温もりがそばにあるっていうのは、なんて奇跡的なんだろう。
俺が信じていなかったもの。
一目惚れ。
初恋の約束。
天使の存在。
その全部をラブちゃんが俺に与え信じさせてくれた。
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