461人が本棚に入れています
本棚に追加
ずっと大好きだよラブちゃん。
アプリでジジイに加工しても、デブでも、ハゲでもどれもラブちゃんだと思うと愛おしかった。
……はっっ。
お…俺は…?ハゲはしないだろうけど、ジジィになっても好きでいてもらえるのか?
あ…あ…ああ………ただでさえ顔が好みじゃないと言われてるのに、好みじゃないジジィになって好きでいてもらうにはどうすれば……。
いや、未来っていうのは今の積み重ねだ。
ラブちゃんの俺と一緒にいたいという気持ちを、ちょっとづつ積み重ねていくことができれば、今想像している未来ってところにたどり着けるはずだ。
小指で繋がる愛おしい存在。
今日、ラブちゃんと俺との『これから』という新しい扉が開いたんだ……。
そう、扉が……扉……。
「あ、あれ……?鍵…?」
いつもポケットに突っ込んでる家の鍵がない……え…っっえええ……????
わたわたと慌てる俺にラブちゃんが呆れている。
「……カバンに入ってんじゃねーの?」
「あ、そっか、このバッグ普段は持ってないから……ごめんバッグのポケットに入ってるから出してくれない?」
「え…?」
「その小指…離したくない」
「ふはっ…なんだそれ?」
笑いながらもラブちゃんは鍵を取り出し玄関ドアを開けてくれた。
小指を絡めたままラブちゃんの開けてくれた扉を二人でくぐる。
なんでもないことだけど……俺にとってはどこか儀式のようで……。
じんわり、じんわり……胸が熱くなり、再び目が潤む。
手が震えるのも伝わってしまってるかもしれない。
ラブちゃんが俺を見上げてちょっと微笑んだ。
「何泣いてんだバカ」
「泣いてないです」
閉まった扉に優しく押し付けられる。
「……日置の泣き顔、変な顔」
「ごめん……」
「なに謝ってんだ?……好きだよ、お前の変な顔」
「じゃ……俺、ずっと変顔…してる」
「バカ、たまに見れるからいいんだろ?」
「あ……うんっっ……ん…」
慰めるようにラブちゃんの唇が俺の唇を覆った。
「ふぅん…ラブちゃん……好き…大好き……」
我慢できずに唇の隙間から甘えるように言葉が漏れる。
ラブちゃんはその言葉を咎めることなく、ちょっと嬉しそうに笑ってくれた。
小指を絡めたまま、長い長いキスをする。
最初のコメントを投稿しよう!