日置くんはイケている26[終話6]日置くんは誕生日を知らない

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ずっと大好きだよラブちゃん。 アプリでジジイに加工しても、デブでも、ハゲでもどれもラブちゃんだと思うと愛おしかった。 ……はっっ。 お…俺は…?ハゲはしないだろうけど、ジジィになっても好きでいてもらえるのか? あ…あ…ああ………ただでさえ顔が好みじゃないと言われてるのに、好みじゃないジジィになって好きでいてもらうにはどうすれば……。 いや、未来っていうのは今の積み重ねだ。 ラブちゃんの俺と一緒にいたいという気持ちを、ちょっとづつ積み重ねていくことができれば、今想像している未来ってところにたどり着けるはずだ。 小指で繋がる愛おしい存在。 今日、ラブちゃんと俺との『これから』という新しい扉が開いたんだ……。 そう、扉が……扉……。 「あ、あれ……?鍵…?」 いつもポケットに突っ込んでる家の鍵がない……え…っっえええ……???? わたわたと慌てる俺にラブちゃんが呆れている。 「……カバンに入ってんじゃねーの?」 「あ、そっか、このバッグ普段は持ってないから……ごめんバッグのポケットに入ってるから出してくれない?」 「え…?」 「その小指…離したくない」 「ふはっ…なんだそれ?」 笑いながらもラブちゃんは鍵を取り出し玄関ドアを開けてくれた。 小指を絡めたままラブちゃんの開けてくれた扉を二人でくぐる。 なんでもないことだけど……俺にとってはどこか儀式のようで……。 じんわり、じんわり……胸が熱くなり、再び目が潤む。 手が震えるのも伝わってしまってるかもしれない。 ラブちゃんが俺を見上げてちょっと微笑んだ。 「何泣いてんだバカ」 「泣いてないです」 閉まった扉に優しく押し付けられる。 「……日置の泣き顔、変な顔」 「ごめん……」 「なに謝ってんだ?……好きだよ、お前の変な顔」 「じゃ……俺、ずっと変顔…してる」 「バカ、たまに見れるからいいんだろ?」 「あ……うんっっ……ん…」 慰めるようにラブちゃんの唇が俺の唇を覆った。 「ふぅん…ラブちゃん……好き…大好き……」 我慢できずに唇の隙間から甘えるように言葉が漏れる。 ラブちゃんはその言葉を咎めることなく、ちょっと嬉しそうに笑ってくれた。 小指を絡めたまま、長い長いキスをする。
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