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「改心した?」
「はい!」
「けど、ヤキモチ妬かせようとしてたって自白したから逮捕な」
ガチャン、日置の両手首に手錠をはめた。
ほんと、日置はアホだな。
さっきまで逮捕されたがっていたクセに、今はがっくりうなだれている。
「日置、トリック オア トリート?『施しを与えるか、さもなくば騙し惑わせるか』。オレを惑わせようとして逮捕されたんだから、選択肢は『施し』しかないぞ。まあ、施しって言うか懲役刑だけどな」
「え……どうすれば……」
「自分で考えろ。どんな施しをしてくれる?」
日置の視線がオレの顔から足の爪先までなぞって、ラックに並べてある収納ボックスに向いた。
そして手錠をチャラチャラ言わせながら風呂場に行って、キッチンに寄って、収納ボックスから何かを取り出して戻ってくる。
「ラブちゃん、足伸ばして」
ローソファーに座るオレの前に片膝をついた日置が、オレの足を自分の足の上に乗っけた。
ポリスのコスプレのオレの前に、手錠付きの日置が傅(かしず)いているというだけで少し気分がいい。
日置が湯を張った洗面器のタオルを絞り、ホットタオルにしてオレの足先にかぶせると、手錠で繋がれた手で丁寧に拭きながら揉んでくれる。
「気持ちいい?」
「ん……」
バイトで疲れたオレの足をぎゅっと握って圧迫し、パッと放す。
じんわりと疲労が取れていく気がする。
それに全身が少しあったまってきた。
施しでマッサージっていうのは日置らしくてなかなかいい選択だ。
「うひゃ……んっんん……!」
足の裏を拭かれるのは少しくすぐったい。
けど優しく丁寧にしてくれるので、身悶えながらも我慢する。
「……はぁ……声も表情も……イイ……」
「ぁっ……ぁあっ……コラ!わざとくすぐったくするのダメ!」
「……わざとなんて……してないよ」
「嘘だ……っぁ……」
日置の手がそろりとスボンの裾に入ってくる。
「ひぁっ……!」
アキレス腱のあたりをほぐそうとしてくれてる……フリをして最初ちょろっと指でくすぐるようになでられた。
くすぐったさで敏感になった足は、こういうほんのちょっとの刺激にも反応してしまう。
普通に優しく揉み解す動きの合間に、ちょいちょいエロい指遣いが混じってもどかしい。
今日はもうエロいことなんかする時間ないのに……。
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