二、始まり

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翌日、昨日あんなにも山の天気のようにころころ変わった表情が夢だったと思っても仕方ないだろう。 彼女は今日も教室ではお地蔵さんでもまだ柔らかい表情をするだろうというぐらいには不機嫌そうに本を凝視している。 アレのどこに話しかける隙があるというのだろう。 まあ放課後にあそこに行けば十中八九会えるのだ、無理して話しかけることもない。 結局昨日は店の前で立ち話をしただけで店の扉に手もかけていない。 でも店の前で入口の前で気を付けの姿勢を取っていただけでと、以前の視界の端に入れながらもスルーしてた俺からしたら成長だろう。 放課後、掃除当番の彼女を横目にそそくさと教室を出る。
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