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見上げていた彼女はこちらを向いた。
よく見ると、何となく頬が赤い気がする。
「…私も…好き」
「…へ?
今好きって言った?!」
「うん…」
こんなにあっさり両思いになるなんて思ってもみなかったからどうしたら良いか分からない。
あの日に一目惚れしたという話をすると、彼女は初対面の時の丁寧な話し方、いつも全力なところ、一生懸命なところを見ていていつの間か好きになっていたと言った。
「そうだったんだ。
ちょっと恥ずかしいな(苦笑)」
「…それと、聞きたかったんだけど、新曲の歌詞、もしかして私のこと?」
「え? そ、そうだけど…」
分からないように書いたつもりだったけど、もしかして気づいてた?!
聞くところによると、歌詞を最初に見せた時に何となく、らしい。
「恥ずかしい…。
まさか気づかれてたなんて。
そんなに分かりやすく書いてないんだけどな」
「でも好きだよ、あの歌詞」
「あ、ありがとう」
照れてるのを誤魔化すように頭を軽く掻いた。
「来年もさ、文化祭の新曲作ろうよ」
「うん。今度は私が歌詞を書く」
「いいね、今年のよりも最高の曲書くよ!」
ふいに、さっきまでドキドキして聞こえてなかった花火が聞こえてくる。
残りの花火も2人で見上げた。
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