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「じゃあな、翼。
今度なんか奢れよー!」
そう言うと航司は軽く僕の肩を叩くと、元気よく走り去った。
直後、すぐに目の前に来る有希。
「なに?」
「あー、えっと、あの…。
何と言いますか…。
この後って後夜祭あるよね。
その…こ、後夜祭一緒に過ごさない?」
「いいけど」
「ほんと?! ありがとう!」
密かに心の中でガッツポーズ。
「じゃあ、屋上で待ち合わせよう。
後夜祭って言ってもキャンプファイヤーに参加するの自由だし、屋上って人少ないし。
…あ、変な意味じゃないよ?」
慌てて取り繕う。
すぐにでも2人きりになろうとしてるみたいじゃないか…。
「分かった。屋上ね。
ところで、時間は?」
「時間は後夜祭が始まる18時半でいいんじゃないかな? 大丈夫?」
「大丈夫。じゃあ、後で」
とてもあっさりとした口調で有希は教室に帰って行った。
「いつもと変わらない口調だったな…。
緊張してんの僕だけか…」
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