優しい友人

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「彼氏と最近毎日喧嘩して。もう辛い。別れたい。でもすき」 メンヘラゆみこは毎日違うことを愚痴ってる。 別の友人はめんどくさ、と半笑いで答えてる中、彼女は穏やかに微笑む。 「好きなのに別れるなんて勿体ないよ。なにがあったの?」 その喧嘩の内容はとてもありがちで、それで別れるならこの先誰と付き合っても長続きしないような内容だった。 でも彼女はうんうんわかるよとひたすら話を聞いていた。 「親とうまくいってなくて。弟のご飯は用意するのに私のはされてないし。もう何日か口きいてないの」 またまたゆみこは親ともうまくいっていないらしい。 「お前いくつだよ。自立しろよー」 一人の友人はイラっとしたように半笑いで嫌味を含め、でも、だってと続くやり取りに、いい加減、私も辛口にコメントをしてしまった。 「一人暮らしでもしたら?一回離れたらいい距離感できるでしょ。親だって他人だよ」 でも彼女はもう、めぐちゃんったらと私を笑って小突いた。 「親だって人だから、いつも優しく温かくなんてできないよ。それでもゆみこちゃんをお腹痛めて生んで、何もできないうちから支えてくれたんだから、親の弱さも受け止めてあげなきゃね。なにがあったの?」 私は、彼女の家庭環境を知ってるから、こういう人の家庭問題に親身に話を聞いてる彼女を見てるとたまに胸が痛む。
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