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「ごめん……。はぐらかすクセが、つい出ちゃった。天糺ちゃんのお蔭で目が覚めたわ」
“一楽が何をしたいのか、きちんと見定めろ。それから決めればいい”
「うん。一楽さんの気持ちと、ちゃんと向き合ってみる」
“それでいい”
天糺は、ニッと笑った。
“受けるも断るも、貴和美が決めること。ただ、断るにしても、なぜ断るのかちゃんと理由を言うんだぞ”
「うん。そうする。いろいろと、アドバイスをありがとう」
(私には天糺ちゃんがついている。だから、きっとうまくいく)
貴和美は、強く、心で唱えた。
「天糺ちゃん、ずっと、見守っていてくれる?」
“ああ”
貴和美は、すがすがしい気分で病院へ戻った。
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