師走 カラフル野菜とヒラメ

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 キンと冷えた空気の中、マフラーを首に巻いた貴和美は三糺に向かっていた。  やや足早に歩いているうちに、喉の渇きを軽く感じた。  ここ数日間は晴れ続き。空気がよく乾燥している。  病院から外泊許可を得ることができた貴和美は、一楽と夕方に会うことになった。  待ち合わせ場所は、三糺。  そこから移動して、近くのお店で食事をとろうと言われている。  とりあえず、下手な手料理を披露しないですみそうだ。  貴和美は、それだけでも肩の荷が軽くなった。  だけど……。 ―― 一楽と、一緒の夜を過ごす。  そのことを、軽く考えただけで緊張し、体はやや熱くなる。  三糺に近づいてきた。  呼吸を整えるため、一旦、足を止める。  冬空を見上げると、夕雲が()ぎっていく。  冬の日没は早い。間もなく暗くなるだろう。  その前に、つかなくては。  貴和美は、再び歩き出した。
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