二章 真実の口

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 さすがに、このままではいけないと自制心をたぐり寄せ、ビーシュはなんともないそぶりを装う。  うまくいっているかは、気にしていられない。必死だった。 「れ、れおくん。ごめんね、起こしちゃったかな。あしたも、仕事なんでしょう? 寝たほうがいいよね」  もとから快感にはだらしないほうではあったが、男遊びが初めてと自称していたレオンハルトに、いいように翻弄されてしまった。  レオンハルトの精をたっぷりと飲まされた場所は、身じろぐたびに存在を主張するようどろりと動く。 「大丈夫、寝ていなかったから。ずっと、ビーシュの寝顔を見ていたんだ。……かわいいな、って。小さい頃、飼っていたウサギを思い出す。でも、ビーシュに対するかわいいって感情は、あのときと少し種類が違う気もするけど」 「ウサギと一緒なのは、さすがに嫌かなぁ」  そろり、そろりと内股を撫でていた手が、萎えたものに絡んだ。  おどろいて、反射的に振り払おうと手を伸ばすが、サファイア・ブルーの瞳に一瞥され、動けなくなる。 「安心して、ビーシュは飼っていたウサギとはさすがに違うよ」  散々もてあそばれた場所は、緩い刺激にも痛いほどに反応を示す。  じわり、とわずかに濡れてきた先端に、レオンハルトが舌を絡め、先走りを舐めとってゆく。     
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