二章 真実の口

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 確かめるべくもなくわかっているはずなのに、ビーシュは素肌に情事の痕を残すレオンハルトを視界に納め、彼と肌を重ねたのだと理解した。  妄想が過ぎて、夢を見ている訳ではない。 「――して。気持ちよくして、ほしい」 「いいよ」  レオンハルトは当然とばかりに頷き、口を大きく開け、ビーシュの勃起したものを躊躇なく頬張った。 「んっ、ふ。こうやってビーシュを食べると、思った以上におっきいんだってわかるね」  弾力のある舌が、鈴口を撫でてゆく。 「ちゃんと、男の子だ」  愛撫もさることながら、己の股間に顔を埋めるレオンハルトの淫行を目の当たりにして、正気でいられるはずもない。  ビーシュは呼吸を荒くさせ、レオンハルトの黒髪に手を伸ばした。 「んあっ、もっと、もっとつよく」  心地よすぎる愛撫と、視界にある暴力的なほどの痴態に、ビーシュはいつの間にか羞恥心を脱ぎ捨てていた。  もっと、もっとと本能が望むままむさぼってゆく。  じゅぷじゅぷと、零した先走りと唾液が混じり合い、シーツの上に散ってゆく。 「腰が動いてる。もう、我慢できないのかな?」 「ん、あっ……だめ、みないで」  体中が、歓喜に震えていた。  なけなしの理性で違うと強がってはみせるが、言葉とは裏腹に体はレオンハルトを受け入れるためにどんどん開いてゆく。     
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