690人が本棚に入れています
本棚に追加
快感に声を上げるたび、満足そうにつり上がるレオンハルトの顔を見ていられなかった。もっと、もっととねだってしまいそうで、狂ってしまいそうで怖かった。
「きもちいい? ビーシュ」
ビーシュのささやかな抵抗を面白そうに笑って、レオンハルトは指を引き抜き、堅さを取り戻したペニスに再び指を絡めた。
「ほんとうに、れおくんは初めてなの?」
「嘘をついてどうするんだい? 本当だよ、自分から抱きたいって思ったのはビーシュが初めてかな。自分でも、驚いているんだ」
激しい愛撫ではなく、息を継ぐ余裕のある戯れのような刺激に身じろぎしながら、ビーシュは顔を覆っていた手を離した。
「女性との経験はもちろんあるけれど、積極的ではなかったからね。誘われたらするぐらいで、こういったことには興味が薄くて」
台詞のわりに、愛撫の手管は驚くほど上手い。
客を取って糊口をしのぐ娼婦たちよりもずっと、的確に性感帯を狙うレオンハルトの愛撫は、今までの経験がすべて白紙になるほど激しく……良かった。
「どうして、ぼくなの?」
一回りも年齢が上なのに、出てくる言葉は舌っ足らずで、子供じみていた。「かわいいね」と言葉を掛けられると、恥ずかしさに死にたくなる。
「どうしてかな。どうしてか知りたいから、僕はビーシュに会いに来たのかもしれないね」
最初のコメントを投稿しよう!