三章 寒空のした

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 ごくり、と鳴る喉に、ビーシュは体を包むタオルをぎゅっと握りしめた。 「俺との関係を、終わりにしたいって考えたほうがいいのだろうかな?」  残念だが。そうつぶやいて、頬に伸びてくる手が、ビーシュを誘うよう唇をもまさぐってくる。  じり、っと腰がしびれる。  いつも、意思よりも先に体が動き出す。恥ずかしくてたまらないが、どうしようもない。  知ってか知らずか、エヴァンはビーシュからタオルをはがし、しっとりと濡れた素肌に手を這わせてゆく。 「それとも、取引ではなく本当に付き合いたくなったのかな?」  わからない。  けれど、違うとも言い切れない。  ゆるゆると首を振ってみせるが、興奮に頭をもたげたものを隠せない。 「俺は、どちらでもかまわないが。できるなら、一緒に故郷まで来て欲しいと思うよ」 「どうして、ぼく……なんですか?」  ぜえぜえと息を切らすビーシュを宥めるよう頭を撫で、エヴァンは逃げようとする腰を抱き寄せた。  上質な布でこすりあげられると、先端に滲む先走りがエヴァンの下肢を汚す。 「君をみていると、放っておけない。上質なワインを見たときのように、誰にも渡さず自分だけで飲み干したくなるときと同じように、魅せられてしまうんだ」     
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