三章 寒空のした

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 自虐的に笑うエヴァンに、ビーシュはぞくぞくと背中を反らし、感じ入る。  行きずりの男とエヴァンは同じだが、少し違う。  何かの代用品ではあっても、強く求められる心地よさは比べものにもならない。 「できるのならば、君を俺のものにしたい」  ともに来いと誘うエヴァンに頷いてしまいそうで、ビーシュはゆるゆると首を振って、返答の代わりに嬌声を上げ続けた。
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