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口の端からたらたらと唾液があふれ、手を伝って零れ、膝を濡らしてゆく。
レオンハルトに足の間を覗き込まれ、恥ずかしさと期待が入り交じり、ビーシュは舌で愛撫していた義眼を口に入れた。
「ふ、んっ……はふっ、ふっ、んっ」
頷く。
なんども、なんども頷いて、もどかしさにビーシュは膝頭をこすり合わせた。
「いいよ、してあげる」
「……ふ、あ?」
あっという間にベルトが引き抜かれ、潜り込んできた手が下肢に伸びてゆく。
止めるまもなく絡みつく指に、ビーシュは義眼を吐き出していた。
「おっと、あぶない。壊れてしまうよ」
「あっ……」
唾液でしどしどに濡れた義眼を受け止めたレオンハルトは、ビーシュのペニスを扱くように義眼をも指で愛撫しはじめた。
目が離せない。
動くたびに唾液を絡ませる指、サファイアの青に誘惑され、頭がくらくらしてなにも考えられなくなる。
「だめ」ビーシュは震えながら、うわごとのようにつぶやく。
「どうして?」
背後から覗き込んでくるレオンハルトに、ビーシュは目を細めて首を振る。
「こわいから、だめ」
義眼をいじるレオンハルトの手に手を絡め、ビーシュは目を閉じる。
再び目を開ければ、全部夢になってしまいそうで。
体に重なる体温が消えれば、凍えて死んでしまいそうで。
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