四章 甘く包まれる

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 口の端からたらたらと唾液があふれ、手を伝って零れ、膝を濡らしてゆく。  レオンハルトに足の間を覗き込まれ、恥ずかしさと期待が入り交じり、ビーシュは舌で愛撫していた義眼を口に入れた。 「ふ、んっ……はふっ、ふっ、んっ」  頷く。  なんども、なんども頷いて、もどかしさにビーシュは膝頭をこすり合わせた。 「いいよ、してあげる」 「……ふ、あ?」  あっという間にベルトが引き抜かれ、潜り込んできた手が下肢に伸びてゆく。  止めるまもなく絡みつく指に、ビーシュは義眼を吐き出していた。 「おっと、あぶない。壊れてしまうよ」 「あっ……」  唾液でしどしどに濡れた義眼を受け止めたレオンハルトは、ビーシュのペニスを扱くように義眼をも指で愛撫しはじめた。  目が離せない。  動くたびに唾液を絡ませる指、サファイアの青に誘惑され、頭がくらくらしてなにも考えられなくなる。 「だめ」ビーシュは震えながら、うわごとのようにつぶやく。 「どうして?」  背後から覗き込んでくるレオンハルトに、ビーシュは目を細めて首を振る。 「こわいから、だめ」  義眼をいじるレオンハルトの手に手を絡め、ビーシュは目を閉じる。  再び目を開ければ、全部夢になってしまいそうで。  体に重なる体温が消えれば、凍えて死んでしまいそうで。     
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