四章 甘く包まれる

18/50
前へ
/289ページ
次へ
「ビーシュ、いいかい?」  じいっと見つめてくるサファイアの瞳が、心地よくて酔いそうだ。  腰が抜けそうな体を支えていた手が、下肢をまさぐり、その奥へと伸びてくる。  綺麗に手入れがされた爪が柔らかい入り口をぱくっと開き、浅い場所で行ったり来たりを繰り返し、消えかけていた火をともしてゆく。 「ビーシュと、したい」 「ん、んぅ」  レオンハルトの首筋を甘噛みしながら、ビーシュは愛撫の心地よさにゆるく腰を振った。  男たちは自分の欲を満たすため、ビーシュの返答など待たず性急に組み拉かれた。  あのエヴァンですら、愛撫は自分が気持ちよくなるための前座であった。  レオンハルトのように、快感を追うビーシュを待ってくれた男はいない。  ビーシュはゆるい愛撫に浸りながら、大きく息をついた。 「して、いい……よ」  引き抜かれた指に、背中が反る。  いきかけたビーシュを引き戻すよう、唇を奪い。舌を吸いながらレオンハルトはビーシュを床に縫い付ける。 「ごめんね、ベッドまで行く余裕もなくて」  たいした愛撫もしていないのに、服を脱いだレオンハルトの雄は堅く張り詰め、濃い先走りを零していた。  見ているだけで、体の奥が苦しくなる。     
/289ページ

最初のコメントを投稿しよう!

691人が本棚に入れています
本棚に追加