四章 甘く包まれる

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 ビーシュのほうも、早く欲しいとはしたなく疼く体をたしなめる余裕もない。  ごくりと生唾を飲み込んで、自ら足を開く。  絡み合う視線はほぐれず、絡まったまま、離れない。  ビーシュは入り口を先端でこすりあげられながら、ふたたび涙をこぼした。 (ぼくはまだ、奇跡を信じられるのかもしれない)  奥を目指して潜り込んでくる雄を内壁で締め付けながら、ビーシュはレオンハルトへ両手を伸ばした。  余裕のないゆがんだ顔から汗がしたたり墜ちて、ビーシュの流した涙に溶けてゆく。 「あっ、れおく……おっきぃ」 「苦しい?」  いたわるような声、とはいえ挿入には容赦のかけらもない。  ビーシュは首を振って「大丈夫」と口元を緩めてレオンハルトの頬を両手で挟んだ。  性欲に燃えるサファイア・ブルーにアメジストの紫が混じって滲んでゆく。 「んんっ、ふ、深いっ」  奥を穿たれ、そそり立った先端からも涙がどっと零れた。  射精感に、意識が飛びかける。 「……気持ちいいの? すごく締め付けてくる。動くよ、ビーシュ。もう、我慢できないや」 「うん。きて、れおくん」   濃さを増す青に満たされ、涙があふれて止まらない。 「いっぱい、ちょうだい」     
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