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ビーシュのほうも、早く欲しいとはしたなく疼く体をたしなめる余裕もない。
ごくりと生唾を飲み込んで、自ら足を開く。
絡み合う視線はほぐれず、絡まったまま、離れない。
ビーシュは入り口を先端でこすりあげられながら、ふたたび涙をこぼした。
(ぼくはまだ、奇跡を信じられるのかもしれない)
奥を目指して潜り込んでくる雄を内壁で締め付けながら、ビーシュはレオンハルトへ両手を伸ばした。
余裕のないゆがんだ顔から汗がしたたり墜ちて、ビーシュの流した涙に溶けてゆく。
「あっ、れおく……おっきぃ」
「苦しい?」
いたわるような声、とはいえ挿入には容赦のかけらもない。
ビーシュは首を振って「大丈夫」と口元を緩めてレオンハルトの頬を両手で挟んだ。
性欲に燃えるサファイア・ブルーにアメジストの紫が混じって滲んでゆく。
「んんっ、ふ、深いっ」
奥を穿たれ、そそり立った先端からも涙がどっと零れた。
射精感に、意識が飛びかける。
「……気持ちいいの? すごく締め付けてくる。動くよ、ビーシュ。もう、我慢できないや」
「うん。きて、れおくん」
濃さを増す青に満たされ、涙があふれて止まらない。
「いっぱい、ちょうだい」
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