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「だめ、かな? うん、駄目だよね。気持ち悪いよね」
「いいよ」
レオンハルトは当然とばかりに答えた。びっくりして顔を上げれば、微笑すら浮かべている。
「変わっているね、レオンくんは」
「そうかな? よく言われるけれど、自覚はないんだ」
サファイアの色をした眼球に、ビーシュの顔がいっぱいに映り込んでいる。
(……綺麗だな)
誘蛾灯に引き寄せられるように、ビーシュはレオンハルトに向き直り、青い瞳を見上げる。
もっと、もっと近くで見たい。
レオンハルトのほうが高いので、自然とつま先立ちになる。
「自覚がないのは、ビーシュも一緒だね」
「……えっ?」
唐突に視界が暗転して、驚いたビーシュは、レオンハルトにしがみついた。
「ん、あっ」
唇が熱い。
くちづけをされている。
どうしてだろう?
苦しくなる息に喘げば、ぬるりと舌が入り込んできた。
「ん、んんっ」
レオンハルトの背中に手を回し、厚手の軍服に爪を立てる勢いでしがみつく。
熱い吐息が絡み、唾液があふれて顎を伝った。戯れではない、深い性的な口づけに、がくがくと、膝が震える。
腰が抜けそうになって、ビーシュはか細く鳴いた。
「はふっ、んぁ……れ、れお……く」
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