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(あいつが気に入りそうな子だな)
そう思うザークの心に、誰の顔が浮かび上がったのか……。
(どうする?依頼を受ければきっと彼らと関わることになる……。否、まだはっきりと決まったわけではないが。十中八九そうだろうな。もう既に犠牲者となっているか、それとも……)
「あの、駄目ですか?」
真剣に考えているザークの目に、必死の様子のロイがうつる。
友人が行方不明になってから、彼は警察や探偵事務所など、色々と回っただろう。勿論、一つや二つではないことは想像つく。
これだけ必死の彼を気落ちさせたくない。ましてや、自分が紹介できる探偵事務所などとうに彼は行った後だろう。
ならば……。
どうせ、彼らを避けて暮らしていくなんてことはできないとわかっている。
関わるのが、少し早まるだけだ……。
心に浮かぶ二つの影を頭を振って振り払い、ザークはロイへ笑顔を見せる。
「その彼を探してほしい、という依頼ですね?」
確認を取るザークに、ロイはコクリと頷く。
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