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あの子が望んでも、望みどおりに答えてはあげられそうにないわね。
フフフ。他人の入る隙間なんてあげない。母親のことさえ、忘れてしまいなさい。
私だけを、私のことだけを思って苦しんで。
だってそうでしょう?こんなに私は愛しているのだから。愛が返ってこないなら、このくらいの望みは叶えて欲しいわ。
あの子が産まれた時、私はとても嬉しかったの。純粋に、弟ができたことを喜んでいた。
でも、母と父の不和はあの子が成長するにしたがって大きな溝になって。あの子は何も悪くないのに。ただ、普通と少し違っていただけ。
それなのに、父はあの子を捨てようとしてた。
だから、私があの子を守るために、父を殺してもらったの。アジスタに。
知らなかったでしょう?
あの子がアイツに出会うよりもっと前から、私とアジスタは交流があった、なんて。
知らなくて当然なのだけど。
あの子のために、私は力を知りたくて。偶然だったけれど、私も殺されるのかもしれないと思いつつ、気付いたらアジスタに声をかけてた。
「女、名前は何と言う?」
声をかけた私に、アジスタはこう聞いてきた。
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