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アキラ・トウジョウの遺体が発見された。最悪な方法で。
発見したのは同じ大学に通う学生。ロイ・ルガスタ。
自分の携帯にロイ本人がかけてきて、それを知った。彼の涙声が、頭にこびりついてしまったように離れない。
何も、声をかけてあげられなかった。ただただ、茫然としていた。
今もまだ、切れた携帯を手に、ソファで呆けている。
わからない。わからないよ、アイリス。何が、したいの?
「いつでもいらっしゃい。歓迎するから。その代わり、私を殺す覚悟ができた時に、ね」
アイリスの言葉がよみがえる。
殺す?僕がアイリスを?たった一人の肉親を?
親に疎まれていた僕を、たまにだけど救ってくれていた姉を、僕が殺すの?
「ザーク」
優しい声と共に、ソファが揺れる。
香ばしいコーヒーの香り。
そういえば、電話が来たときから彼は傍から離れていた。
「電話、なんだった?」
携帯のかわりに、温かいカップを持たされる。
隣の温もりが、嬉しい。
「アキラ君の遺体が見付かったそうです。発見者はロイ君」
茫然としたまま、リグへと返す。
知らず知らずに固い口調が出るのは、冷静になろうと努力しているせいか。
「……そうか」
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