第十章

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「俺たちの種族は完全に闇じゃない。光の中でも生きていられるのがその証拠だ」  たしかに、リグは太陽光の下でも平気な顔をしている。普通の人間とかわらず歩いている。  リグに力をもらった僕だって、太陽の光はなんともない。 「闇にのまれるってのは、光の中で生きられなくなること。完全に闇の住人となる」  闇の住人に、なる。  僕は、リグに力をもらった時すでに、闇の住人になったと思っていた。でも、それは少し違ってたんだ。 「僕が特殊だから、じゃない?」  僕自身の力故にそうなのだと、勝手に思ってた。  考えたらわかるのに。リグやシアンだって、太陽光の下を平気で歩いてたじゃないか。  あれ?でも、アイリスは?  アジスタとはあまり交流がないからわからないけれど。多分平気なんだろう。 「アイリスも、光の下、普通に歩いてた」  思い出すように紡ぐ僕の声。  そう、アイリスだって、普通にしていたじゃないか。 「んー、ザークはちょっとだけ特殊。ザーク自身が光だから、闇の住人にはならない」  考えるように、リグは言葉を綴っていく。
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