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やっと依頼を受けてもらえた嬉しさと、もしかして、もうこの世にはいないかもしれないという不安をより一層高められたのか、どういう表彰をしていいかわからない、という複雑な表情になる。
「確率で言えば、ゼロではない、ということです。昔からあったこの奇妙な事件、最近異常に犠牲者が増えていますからね。調べていかないと何もわかりません。空想で現実を見ることはできませんよ」
少し厳しいか、と思いながら言うザークは、「そうですよね」と小さく言って俯いたロイが、泣きそうな表情をしているのに気付き、
「逆にね。生きているという可能性があることも言えますよね。ここで話していることは、あくまでも確率。可能性がある、ということなのですから。良い方にも考えられる、ということを忘れてはいけませんよ」
と優しく言葉を紡ぐ。
「そうですよね」
今度は、少し明るくなったロイの表情に、ザークは少し安堵を覚え、ほっとする。
「あ、ごめんなさい。僕まだ自己紹介もしていませんでした!ロイ・ルガスタと言います。ここから見える大学の一年生で、十九歳です。えーと、あの……」
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