第十一章

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「うん」  すがすがしい 笑顔で、ザークは頷いた。 「……」  なんだ、この敗北感は。  今までにない強敵が現れた気分だ。 「リグ?リグ、ねぇ、一緒に行ってくれないの?」  はっとしたら、ザークが泣きそうな不安な顔をしてリグを覗き込んでいた。  どうやら、返事をしなかったことで、不安にさせたらしい。  というか、……。 「今度は一人で行くなんて言わないんだな」  置いて行かれたら、どうしてやろうか、と考えていたのが霧散した。 「僕一人で勝手に行けって言われたら、そうする」  少しスネた口調。  なんだ、この可愛さは。  って、俺は馬鹿か? 「はっ、んなこと言う訳ねぇだろ、いつ行くつもりなんだ?」  自分を取り戻しつつあるリグに、ザークは「早い方が良い」と答えた。  多分、ロイやその友人に会いたくないからだろう。 「早く、ね。荷物どうすんだ?向こうの住所決まってないし、こっちで処分してくしかないぞ」  物には頓着してなさそうだし、日本で落ち着き場所を見付けたら、また買えば良いのだけれど、一応聞いてみる。 「ええーっと、ココが住所」  ポケットを探ったザークが紙を出す。  おい、待て。住所?
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