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嫌な気配じゃなかったのも、よくわかる。
タチナの恋人にはまだ会えていない。仕事の関係上、帰ってくるのは夕方なんだと言っていた。
「リグ、ね、タチナのことどう思った?」
タチナの弟には、僕とタチナは似てるって言われた。
ちょっとびっくりした。僕はタチナみたいに、優しくなんかない。
「ん?普通に良い奴、かな。俺はあの弟の方が不思議な感じして気になる」
ちょっと考えながらリグは言う。
気になるって、何だろう。確かに不思議な子だと僕も思ったけど。気になるって何?
「ふーん」
聞いたのは僕だけど。っていうか、タチナについて聞いただけで、弟については聞いてない。
「っていうかリグ、自分の荷物は自分で片付けてね」
僕はさっさと自分の荷物を片付けに入ってたけど、リグはのんびりソファでくつろいでる。
僕がわざわざリグの荷物まで荷解きする気はない。
自分の物は自分でしまわないと、生活に困るのは自分だし。僕にあれやこれやどこにあるかとかいちいち聞かれるのも嫌だし。
「あー、ちゃんと自分でやる。後で」
超特急で日本に来たから疲れてるのかな?と思って、それ以上言わないことにした。
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