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第四章
ピンポーン
午後の日差しが暖かい中、リビングのソファにザークとリグは座っていた。
正確には、昨夜の事でリグを怒りつつも、追い出せないでいるザークが、ムッツリとした表情で書類をまとめている横で、ザークの不機嫌なんてお構いもしないリグが、のんびりとコーヒーを飲んでいたのだが。
来訪者を知らせるザークのアンテナは、二人がエレベーターを降りた時すでに発動していた。更には、二人の内一人は自分が知っている人物だとわかっていたのだが、インターフォンが鳴るまで待っていた。
まぁ、鳴る前にドアが開けば、不審に思われてしまうだろう。
それに、二人が来た理由が、何となくわかっているから、先に延ばせるなら延ばしたかったという気分もあった。
今回は連れがいることと、二度目の訪問という二つの理由から、すぐにインターフォンは押され、ザークの思いは儚く消えた。
「いらっしゃい、ロイ君。ご友人も一緒のようですね。すぐに暖かい飲み物を用意しますから、中へどうぞ」
先程の不機嫌さなどなかったかのように、にこやかに対応に出るザーク。
一人はザークの依頼主ロイで、もう一人は友人のショウ・ミズキだ。
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