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ただ、一点。皆様、どうかお間違えなきようにお願いしたいことがございます。
それはこの店にある本は私とは全く違うのです。本は決して「まあまあ」ではありません。本は一冊の完成形でございます。
本は人の目に触れるまでの間に作者の生きてきた背景や経験その他から見聞きし派生した概念を抽出、さらにそれを吟味した上で文字という共通の概念に直す作業を隔てるわけです。それら一つを想像するだけでも「まあまあな本」などと揶揄することはよろしくありません。もし仮にそのような思いや発言をするなれば、大変恐れ多い行為だといわざるをえません。しかし現実には多数そのような方がいらっしゃるのも事実です。
残念ながら本自ら意思を持って読み手を選ぶことが出来ません。
そう考えると本を作る過程において関わった人達には大変申し訳ないのですが、私のような「まあまあな活字中毒者」の元へと買われてしまう気の毒な本も多数冊あるわけでございます。
ですから決して私の本棚に置いてある本が「まあまあな本」ではないという事をご理解いただきますようお願い申し上げます。
さて。私は購入した本の扱いについて考えました。
「まあまあな人に読まれて本としての一生を終えるのではなく、もっと多くの人に読んでいただくようにするにはどうすればよいのか」ということです。
要は「まあまあな活字中毒者」の元だけで素晴らしい本を埋もれさせるわけにはいかないと考えた次第でございます。
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