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松野「葛西先輩、帰しちゃっていーんスカ?」
先ほどの態度とはかけ離れた口調で、節子の後ろ姿を見ながら松野は言った。
葛西「ちゃんと後で話を聞く。 それに第一発見者はあの御婦人だそうだ。 何も自分の孫が死に掛けたこの場所で話を聞くこともないだろう。」
松野「そんなもんスカ?」
葛西「そんなもんだ。」
一通り済ませたのか、部屋の中にいた三神が入り口に立っている二人に近付いた。
三神「そろそろ戻りましょう。 葛西先輩、私は署に戻ったら病院へ行ってきます。」
松野「自分も行きマスッ!」
三神「お前は来なくていい。」
松野「そんなー。三神先輩酷いッス。」
三神「お前が来ると話が反れるから嫌なのよ。」
松野「そんなー。葛西センパーイ」
葛西「諦めろ松野。お前は俺と留守番だ。」
三神にバッサリと同行を拒否られた松野は葛西に助けを求めるが、こちらもあっさりと却下されてしまった。
本当ならば直ぐに病院に行きたかった三神だが、そんなに長い間居たわけではないのにスーツにもあの部屋の臭いが染み付いている気がして着替えるためにもしかたなく署に戻ることにしたのである。
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