20人が本棚に入れています
本棚に追加
言葉を交わす事無く夢中で見入っていた2人の手は緊張で汗ばみ、早鐘を打つ鼓動は収まる事を知らない。
機体は機首を上下に動かし何とか距離を伸ばそうと必死になるが、数メートルも進まず着水と同時にバラバラに分解してしまった。
真琴「あっ!!」
車椅子から身を乗り出した真琴がバランスを崩しそのまま地面にダイブすればガシャンと響く音に驚いた芽依子が慌てて真琴の方を見た。
芽衣子「真琴!? 大丈夫?」
真琴「いてて… 大丈夫、大丈夫」
ちょっと恥ずかしくなりながらも車椅子に座り直すと肘には薄っすらと血が滲み、芽依子はテキパキとバックから消毒液とガーゼを取り出し怪我の手当てをする。
真琴「芽依子、いつもガーゼとか持ってるの?」
芽衣子「そうだよ。 あと、包帯とか、湿布とか、絆創膏とか、虫刺されの塗り薬とか、色々入ってるよ。 はい、終わり。」
丁寧に貼られたガーゼが芽依子の性格を表していた。
最初のコメントを投稿しよう!