初めまして非日常

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 俺の言葉に、周りはザワつき始める。そりゃそうだ。いきなり現れたヤツがいきなり周りのヤツに拳を振るった挙句に仲間にしてくれだなんて。  あれ? よく考えたら俺って、なかなか非常識じゃないか? 「……ミズシロさん。貴方をわたくしの軍に迎え入れてメリットはありますの?」 「あー、俺は魔法とは違う力、異能力を持っています。そして多分俺の力は二十九人の中でも最強格。その気になれば俺以外二十九人の勇者の居場所は簡単にわかります」  それに……とその先の言葉を言う前に俺は深呼吸して気持ちを落ち着かせた後、首につけた神のネックレスを思いっきり引っ張って紐をちぎる。 「心の底からあなたに付いて行きたいと思った。……それじゃあダメですか?」  紐がちぎれたネックレスを床に落とし、思いっきり踏みつけた。 「ふふっ、魔王軍は来る者拒まずですわ。ミズシロさん」  ロロットは笑顔を見せた後に後ろを振り向き、この部屋を後にしようと歩き始める。 「ようこそ魔王軍へ。ミズシロ コータローさん。あぁガイ。ミズシロさんに城内を簡単に案内させた後、わたくしの自室に案内なさい?」 「り、了解であります! 魔王様!」  膝をつき、忠誠を誓うようなポーズを他のみんながする中、ガイコツはハキハキとした声で喋る。
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