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ロロットが部屋を出ると、膝立ちで敬意を払っていたみんながまばらに立ち上がり始める。
「まさか、さっきまで剣を交えた勇者が魔王軍に所属するとは」
「魔王様の元で働きたいと思っただけだよ。神からは魔王を殺せとは言われたけど強制はされてなかったし、俺は自由に生きたいんだ」
「……そういう性格だと見抜いた上で魔王様に気に入られたのかもしれないな。
あぁ、俺はガイ。魔王近衛師団を率いる隊長でもある」
ガイコツのガイという安直な名前のガイさんは俺に向かってその骨の手を差し伸べる。握手をしようという意味だろう。
だから俺も手を伸ばして握手に応じる。
「さっきは顎を吹き飛ばしてすいませんでした」
握手を終えたあと、そのまま頭を下げてガイさんに謝る。いや、俺自身戦いたくはなかったけど……怪我を負わしてしまったからな。今はかんぜんに治ってるけど。
「いや気にしなくていい。先に剣を振るったのは俺だ。しかるべきダメージだったさ。
それに、ジュジュに回復魔法をかけてもらったからな」
え? JU◯Uがいんの? あの人って回復魔法が使えるの?
俺がそんなことを考えているとガイさんはさっき火球を撃ち込んでいた呪術師を指差す。
……あ、呪術師のジュジュってことかーーっ!?
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