2013人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
そして広い広い魔王城をガイさんと共に周った後、少し大きな両開きの扉の前にやってきた。
「さて、この部屋がロロット様の部屋だからな。あまり気を悪くさせるんじゃないぞ?」
「気をつけますよ、まだまだ新人の身ですからね」
「じゃあここから先は一人で行くといい。俺はここで待っているからな」
ガイさんは俺の肩を叩き、扉から少し離れた位置で待機する。それを見た後、扉に視線を移してノックを四回する。
「……どうぞ」
ロロットの声が聞こえた後、俺は扉を開ける。
「うぉおおぉ……すげぇな」
率直な感想だった。どこかの屋敷の一部屋のように豪勢で、ソファーや天蓋付きベッド。普通に生活していたらお目にかかれないような感じ。
ロロットはソファーに座っているだけだが、それだけでも充分絵になっている。写真を撮って待ち受けにしたいくらいだ。
「ようこそ、私の部屋へ。ミズシロさん」
ソファーから立ち上がろうとしたロロットを手で静止させながら「いえ、座ったままで平気ですよ」と言う。
最初のコメントを投稿しよう!