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「リーダー格、そうなると厄介なことになりそうですわね」
「その前に手を打ちたいけど今は良太がどこにいるか分からないのがなぁ」
いや、分からないなら見つければいいんじゃない? そういうスキルを創造すればいいんじゃない? なんのための異能力だよ。
よし、早速イメージをするとしよう。地図を見るだけでクラスメイトの大体の居場所が分かる力を持つ俺を。
さらにロロットにも確認してもらいたいから、他人に可視化できるように。
《スキル【特定】を入手しました》
《スキル【第三者の可視化】を入手しました》
「これで平気なはず……ロロット。もう一度、世界地図を出してくれるか?」
「え、えぇ、これでよろしくて?」
ロロットはさっきと同じように空中に世界地図を浮かび上がらせる。
俺はそれをジーッと見る。すると、ポツン、ポツン。と雨が降り始めた時のように、赤い小さな点が浮き上がり、そのまま世界地図の至る所に赤い丸が視認できるようになる。
「地図に赤い丸……もしかしてこの丸が?」
「他の勇者の位置だね。その仲間たちがいた洞窟ってどの辺り?」
「この辺りですわ」
ロロットはエリュトロスの中心より少し下の辺りを指差した。
その近くには三つの赤い丸がある。
「エリュトロスには全部で六つの丸があるから、つまり六人のクラスメイトが転移。それに洞窟近くには三つの丸があるから、ここに良太がいると見て間違いないかな」
神はちゃんと俺たちを小さなグループでバラバラに転移させていたみたいだな。疑って悪かったよ神様。俺はてっきり、俺だけぼっちでみんなはみんなで行動してるのかと。
「凄いですわね。それが異能力と言うのですの?」
「うん。俺の世界の神からもらった贈り物。大切に使わなきゃね」
にしても【特定】だけじゃあ誰が誰だみたいなとこまでは分からないってのが大きいなぁ。これはやっぱり一度確認してきたほうがいいか。
パッと行ってパッと戻れる瞬間移動が使えたらいいんだけど、もうめんどくさいからそれも創造させるか。折角の異能力、使わなきゃ損だし。
《スキル【瞬間移動】を入手しました》
「よし、カップ麺作るより早いぞ」
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