勇者になった彼らの行動

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 その顔を見て、やれやれというジェスチャーをしながらロロットは口を開く。 「わかりました。では勇者 リョータの件はコータローにお任せいたしますわ。  ガイたちと戦ったときのように勇者を圧倒させてくださいまし?」 「ありがとう、ロロット。まぁアレは圧倒まではいってなかったけど……って知ってるの?」 「ふふ、城内で何が起きているのかは全て分かりますわよ? ……それじゃあ食事にしましょうか? 今日はコータローの歓迎会も兼ねて豪勢に」 「え?  豪勢だなんて、いいの?」 「当然ですわ! コータローが私たちの世界に来たという素晴らしい門出ですもの」 「ヒヤッホォォォウ!」  胸の前で手を合わせ笑顔のロロットはそう言って、その後に孝太郎に手を差し伸べる。 「……ん? あぁなるほどね。それでは参りましょうか? ロロットお嬢様?」 「ええ、わたくしの杖もお忘れなく」 「かしこまりました」  最初は手を差し伸べた意味が分からなかったが、すぐに理解した孝太郎は今のままじゃあ失礼だと思ったのか、先程創った物体修復のスキルで制服の傷を直した後にロロットの手を取った。 「さて、じゃあ行きましょう?」  孝太郎がその手を取り、立ち上がったロロットはテーブルに立てかけられた松葉杖を取ると、そのまま歩き出して部屋を出ようとする。 「あ、待った待った、 扉は俺が開けるから !」  孝太郎はロロットの前を歩き、部屋のドアノブに手をかけて扉を開けた。  こうして波乱の異世界転移初日はゆっくりと終わりを迎えるのであったが、まだ孝太郎を含め、クラスメイトたちは知らなかった。  この世界はもう既に、少しずつ終わりに近づいていることに───────。
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