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出会い
「あっ」
「あっ」
二人は同じ本に手を伸ばし、そして引っ込めた。どうぞどうぞと譲り合いながら、微笑み合い、そして二人は恋に落ちる……
「……という本屋における出会いですが、あるあるのようでいて、現実世界ではありえないです」
本屋でのバイト1日目。店長じきじきの教育の時間だ。
レジ打ちとか、搬入とかを習うものと思っていたのに、渡されたのは少女漫画の1シーンが載っている紙。本屋での出会いのシーンが描かれている。
「そのありえない出会いをありえるものとするための本屋です、うちは」
40代の男性店長は、玩具を自慢する子供のような熱心さで、語っている。
私と同時期に入った同じ学校の女の子は、熱心にメモをとっている。
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